遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。2015年もコミPo! をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、新年最初のブログのエントリーはフキダシのお話……フキダシというよりもその中に入る「文字」のお話になりますが、キャラクターのセリフを表現するこのフキダシ、フォントを変えてみるだけでもよりマンガっぽくなるんです。今回はインターネットで配布されているマンガ向けフォントをご紹介します。
一般的にマンガのフキダシ使われる文字は「ゴシック体」の漢字と、「アンチック体」と呼ばれるフォントのカナ文字がブレンドされて使われています。
※ 左のフキダシでは「漢字はゴシック」の部分は全てゴシック体、「カナはアンチック」の部分はすべてアンチック体で書かれています。
一般的にPCで使われるフォントはゴシックならゴシック、明朝体なら明朝体と種類が固定されているものが多く、そのまま使うとマンガ誌とは全く異なる見た目になってしまいます。
かと言って漢字だけをゴシックで、その他をアンチック書体で別々に用意して、レイヤーを重ねあわせる、というのは非常に手間がかかります。
そこで重宝するのが「マンガ用フォント」として公開されているフォントファイルです。以下3点はマンガ用のフォントとして公開されているものです。
新コミック体フォント
オープンソースの「源ノ角ゴシック」をベースに作られたフォントです。
アルファベットはプロポーショナル(幅が可変する)、ひらがな・カタカナ・漢字は固定幅になっています。ウェブサイトで使用したり、同人誌等印刷媒体に利用することも可能となっています。
詳細な利用条件やダウンロードはフォント910さんのページに記載されています。また、フォント910さんではコミック用フォントの他にも様々なフォントを配布しています。
やさしさアンチック
IPAが配布している「IPAフォント」とフリーソフトウェアとして配布されている「M+フォント」をベースに作られたフォントです。
かな文字が比較的太めで漢字とのバランスを重視したフォントです。こちらもウェブサイトや印刷物に使用することができます。
フォントなさんのサイトからダウンロードができます。サイトでは佐藤秀峰さんの「ブラックジャックによろしく」の吹き出し部分を「やさしさアンチック」に差し替えたサンプルも見ることができます。
GL-アンチックPlus
GL-アンチックというフォントに「M+フォント」を合成し、一部の漢字を保管したもので、「試験公開」として公開されています。
一部サポートしていない漢字があるため、一部の漢字(特にあまり使われない難解な漢字)は表示できない可能性があります。こちらも商用利用OKとなっています。
ダウンロードはGutenburg Labさんのページからどうぞ。同サイトではルーン文字などの古い活字書体をフォントファイル化したものが配布されています。
この他にも市販されているものも含めるとたくさんのマンガ用フォントがあります。文字を変えるだけでも作品の印象はガラリと変わるもの。一度お試しになってみてはいかがでしょうか。
※ご紹介したフォントには利用条件や利用規約が定められていますので、確認の上でご利用下さい。